講座007

特定漁船について(令和2年7月1日法令改正)

法令改正の内容と船舶免許保有者への影響

令和2年7月1日 船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の改正に伴い新たに「特定漁船」が小型船舶として定義されるようになりました。

従来、小型船舶の定義は

①総トン数20トン未満の船舶
②一定の条件を備えた娯楽(スポーツ・レクリエーション等)のみに用いられる長さ24メートル未満の船舶

でしたが、ここに新たに

特定漁船(総トン数20トン以上80トン未満、長さ24メートル未満の漁船*他多数条件あり)

が追加されたということになります。

小型船舶免許を使用して特定漁船を操船する場合は、特定漁船講習の修了が必須になります。

本コラムでは今回の法令改正についての内容及び小型船舶免許保有者への影響について紹介いたします。


法令改正の内容

今回の法令改正における国土交通省からの告示はこちらの1.改正等の背景(1)及び2.改正等の概要(1)をご確認下さい。

法令改正の内容を要約いたしますと、法令改正前までは大型海技免状保有者が最低2名(航海・機関各1名)いないと操船できなかった特定漁船を小型船舶と定義して、特定漁船講習の修了等を条件に小型船舶操縦士免許保有者1名のみで操船できるようにしようというものになります。

この法令改正により全ての小型船舶1級及び2級(湖川小出力含む)免許に新たに「特定漁船の操船不可」という内容の能力限定が付与されましたが、従来まで操船できた小型船舶が能力限定の付与により操船ができなくなるという事案は発生いたしません。

特定漁船能力限定を解除して特定漁船に乗り組むためには特定漁船講習を受講して、国土交通省に限定解除申請を行う必要がございます。
*特定漁船講習による限定解除ができる対象は1級小型船舶免許のみとなります。


小型船舶免許証の表記について

 

能力限定の付与につき令和2年7月1日以降に更新・新規取得・進級・再交付申請をされた方またはこれから行う方は船舶免許証の裏面下部に青字で(表面)に記載のない限定:特定漁船以外の船舶と記載されます。

*小型特殊免許のみ保有の方は漁船自体に乗り組めませんので免許証裏面の表記は変更いたしません。

 


小型船舶免許保有者への影響

 

・マリンレジャーを目的に小型船舶免許を使用している方
→今回の能力限定付与による影響は特にございませんので従来どおり免許をご使用下さい。

・小型船舶免許を使用して業務を行っている方
→今回の特定漁船限定付与により、限定を解除するまで業務を行えなくなるといった事案は漁師や遊漁船操船者を含めて発生いたしませんのでご安心下さい。

・航海及び機関海技士免許をお持ちで特定漁船に乗り組んで業務を行っている方
→小型船舶免許+特定漁船限定解除により特定漁船が1名で操船できるようになりましたが、従来の通り海技士(航海)及び海技士(機関)各1名以上を乗り組ませて操船も可能です。

・これから小型船舶免許のみで特定漁船にて業務を行う予定の方
→小型船舶免許の取得後、特定漁船講習を受講していただく必要がございます。特定漁船講習の詳細は最寄りの運輸局海事課にお問い合わせ下さい。

 


まとめ

小型船舶の定義が拡大され新たに「特定漁船」が小型船舶の一員になりました。
小型船舶1級及び2級に、操船可能範囲が「特定漁船以外の小型船舶」になる能力限定が新たに付与され、これを解除するには特定漁船講習を受講する必要がございます。
しかしながら特定漁船に該当する漁船は日本でも例が少なく、大半の方が限定を解除することによる実用性はございません。
小型船舶の定義が変更になった旨と、それに伴いご自身の船舶免許に新たな能力限定が付いたことを理解していただいた上で小型船舶免許を使用していただければ幸いです。