講座016

船舶の形象物について〜中級編〜

形象物の意味を知り 安全航行に役立てよう

中級編では、初級編とは異なる特殊な状態の形象物について解説していきます。

形象物の図中級編

この3点の形象物を掲げている船舶は航行中の他の船舶から進路を妨げられないよう配慮される立場となりますが、同時にその特殊な状況を周囲に明示する義務があります。
これらの形象物の意味を十分理解し普段の安全航行に活用しましょう。

上記①~③の形象物についてそれぞれのの意味や覚え方を解説していきます。

①の解説
②の解説
③の解説

*ここで紹介している形象物の覚え方は筆者オリジナルですので助け舟程度に考えていただけたら幸いです。

① 喫水制限船

【形状】
円筒形1個

【意味】
自船の喫水の為に安全航行できる水域を制限される『航行中の船舶』

【対象】
比較的浅い海域や海底に点在する障害物等により自船の喫水条件で安全な航行可能範囲が限定される船舶

【解説】
海上衝突予防法28条において 航行中の喫水制限船は、同項各号の規定による灯火、最も見えやすい場所に紅色の全周灯3個又は最も見やすい場所に円筒形の形象物1個を掲げると定められています。

【覚え方】
覚え方のコツは「円筒形(ドラム缶)」の形と「深さ」をリンクさせることです。 船舶の下(水中)に深く沈んでいる部分を縦長のドラム缶に見立てるとイメージとして覚えやすいです。

② 運転不自由船

【形状】 球形形象物2個

【意味】 機関故障や異常事態により、操縦性能が制限され他の船舶の進路を避けることができない船舶

【対象】 航行中の12メートル以上の船舶(機関故障などで漂流している状態も含む)
※12メートル未満の船舶は表示義務なし。

【解説】 海上衝突予防法27条の3
運転不自由船は最も見やすい場所に球形の形象物2個又はこれに類似した形象物2個を垂直線上に掲げなければなりません。

【覚え方】 覚え方のコツは「2つの黒い玉」です。
故障して「目が点(・・)」になっている、あるいは「お手上げ(テンテン)」な状態をイメージすると覚えやすいです。

③ 乗揚げ船

【形状】 球形形象物3個

【意味】
乗揚げ(座礁)し、他の船舶の通行に影響を与える可能性がある船舶

【対象】
全長12メートル以上の船舶

【解説】
海上衝突予防法30条 乗揚げている船舶は次に定めるところにより、最も見やすい場所に灯火又は形象物を表示しなければならない。球形の形象物3個を垂直線上に掲げなければなりません。

【覚え方】 覚え方のコツは「乗り上げた。サ(3)んざんな目に遭う玉3つ」
運転不自由船(玉2個)にさらに「どっしり構えた重石(おもし)が1個追加されたと イメージしましょう。

参考文献

国土交通省 海難審判所
https://www.mlit.go.jp/jmat/monoshiri/houki/houkinyumon/keisyoubutsu.html