「吹奏楽の聖地」しばしお別れ センチュリーホールに響いた若者の音

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井上昇
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 第71回全日本吹奏楽コンクール全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)の中学校と高校の部が、21、22の両日に開かれる名古屋国際会議場センチュリーホール(名古屋市熱田区)。「吹奏楽の聖地」とも呼ばれるが、改修工事のため、大会は来年から別会場で開かれる。節目の大会を前に演奏者や関係者は特別な思いを胸に抱く。

 「常に憧れの場所。センチュリーホールで演奏するという目標があるから頑張れる、そういう存在」。22日に高校の部で出場する光ケ丘女子(愛知県岡崎市)の部長杉浦真呼(まこ)さん(3年)は、1年生で全国大会に出て、中学時代からの夢をかなえた。地元の「地の利」もあり、その後も舞台に立つ機会は多い。全国大会や定期演奏会などで年に複数回演奏するが、「毎回感慨深い気持ちになる」。

 コロナ禍で中止された2020年を除き、センチュリーホールでは12年から中学校、高校の部の全国大会が毎年開かれている。アニメ「響け!ユーフォニアム」でも重要な場所として描かれるなど、「吹奏楽の聖地」として定着した。

 だが名古屋国際会議場の改修工事に伴い、24~26年の中学校と高校の部は、別の会場(24、25年は宇都宮市文化会館、26年未定)に移る。センチュリーホールが再び会場に使われるか未定だが、しばらく「聖地」から吹奏楽の音が消える。

 12年当時に愛知県吹奏楽連盟の事務局長だった島本克己さん(50)は「『聖地』として定着するまでに様々な苦労があった。それを思うと本当にさみしい」と話す。

使えなくなった「普門館」 なぜセンチュリーホールが会場に?

 センチュリーホールが全国大会の会場になったのは「青天のへきれきだった」と、島本さんは振り返る。

 1977年以降、全国大会の…

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