建物名称 四日市港ポートビル
展望台名称 うみてらす14(フォーティーン)
所在地 三重県四日市市
高さ 全高100m 展望展示室床面高90m
竣工 1999(平成11)年
概要 国内有数の石油化学コンビナートを後背地とする四日市港は、全国23の特定重要港湾のひとつであり、年間の貨物取扱量は約6000万tにのぼる。幕末期にはすでに物資の集散地として栄え、1899(明治32)年に外国船の入港が可能となる開港場に指定されて以来貿易の重要拠点として著しい発展を遂げた。かつては食料品や綿花、羊毛といった品目が主であったが、現在の取り扱いは輸入においては原油、LNG、石炭、輸出においては自動車、化学薬品、合成樹脂が上位3品目となっており、完全に工業港と化している。
四日市港ポートビルは四日市港管理組合が所有・管理する地上14階・地下1階の建物で、四日市港開港100年を記念して同港霞ヶ浦地区に竣工した。現在三重県で最も高いビルディングである。7階から11階までは組合事務所が入居しているほか、国際VHF無線局、レストラン、会議室などを備える。最上階は展望台を兼ねた有料の展示室「うみてらす14」で、港の役割や歴史などを楽しみながら学習できるスペースになっている。
TF式分類 第3種 I類
登頂日 2005年11月5日
 2005年11月5日の登頂記録
四日市港ポートビルの外観上の特徴は、展望台直下の13階部分が中空になっていることです。展望フロアが他のフロアから独立した存在であることを重視する当サイトとしては、この建物が単なるビルディングではなくタワーであると認定するための重要なポイントです。

かつては四日市駅前からポートビル行きの路線バスがあったのですが、すでに廃止されているため、JR関西本線の富田浜駅から15分ほど歩いて到着しました。港湾用地に所在しており、付近に人家はありません。ビルの手前は霞港公園です。

正面入口は霞港公園側にあり、このフロアがポートビルの1階です。しかし道路面から入口へ到達するには階段とスロープを上る必要があり、実質的には2階の高さに位置しています。エントランスホールからは吹き抜けになった地下1階へ降りることができますが、地下といっても実際は地上レベルにあって、向こう側の道路に面した出入口があるくらいですから、実質的には1階に相当します。じゃあビルの高さは1階と地下1階のどちらから計測した値なのかというと、公式サイトには「前面道路面より」と書かれているので、地下1階からの高さだと解釈できます。ややこしいな。
エレベーターで14階に着くと、そこが展望展示室「うみてらす14」です。自動販売機でチケットを買って早速入場しましょう。
室内レイアウトは円形のナビゲーションシアターを中央に置き、「港のあゆみ」「港のやくわり」「港ではたらく」「港にしたしむ」の4つのテーマに分かれた展示スペースが配されています。
4面の窓側はいずれも展望ロビーとなっています。固定式の望遠鏡とは別に、手すりには無料で使える双眼鏡がぶら下げられていますが、小学校などの社会科見学での利用がかなり多いそうなので、順番に仲良く使えよという配慮のようです。
窓の上の方にくっついてるアレは何だ? とお思いでしょうが、この方角に中部国際空港があることにちなんで同空港のマスコットキャラクター「なぞの旅人フー」のぬいぐるみが飾られているのでした。
南側には何本もの煙突、もうもうと吹き上がる煙、石油やガスの貯蔵タンク……絵に描いたような工業地帯の風景ですね。いま私が住んでいる千葉市の臨海工業地域もこれとよく似た風景が広がっているので何やら親しみを覚えます。
右にはスポーツやイベントなどに使用されている市営の四日市ドーム。その脇に見える首長竜みたいな形の建物は、もともと1970(昭和45)年に開催された大阪万博のオーストラリア館だったもので、四日市港とシドニー港が羊毛の輸出入を縁として姉妹港提携していることから当地へ移築されました。現在もオーストラリア記念館として一般公開を行っています。
東側は間近に大型船やガントリークレーン、カラフルなコンテナなどが見え、国際貿易港らしい眺めです。
もう一度南側の窓から、ちょっと西寄りを見ます。霞大橋を渡った向こうに四日市市街地が広がります。
次に展示を見ていきましょう。これは「港にしたしむ」コーナーにある船舶の航行を疑似体験できる装置。主に小学生を対象としているのでシミュレーターと呼べるほど本格的なものではありませんが、このように各コーナーではゲーム感覚で学ぶことができる映像展示が行われています。それゆえ大人が操作してるとちょっと恥ずかしい(笑)
「港ではたらく」コーナーでは税関や検疫についても紹介されています。輸出入が禁止されているものの例としてワシントン条約に抵触する蝶とか麻薬とかが展示してあって一瞬驚きますが、もちろんどっちも模造品……のはず。
ナビゲーションシアターはおおむね2時間ごとの上映。上映していないときはパソコンの画面をタッチしながらクイズやパズルを解いたり四日市港の模型を眺めるしかないんですが、今回はタイミングのいいことにまもなく上映時刻です。
ステージの周囲に遮光カーテンが下りてきたのちスクリーンも下りてきて、アニメーションが始まりました。明治初期に私財を投じてまで四日市港の近代化に尽力した稲葉三右衛門翁とポルテくんを案内役として、四日市港を紹介する15分ほどの映像です。
この子が四日市港のマスコットキャラクター「ポルテ」。今のところキャラクターグッズは販売されていませんが、ピンバッジや携帯ストラップなどがイベントで配布された実績はあるので今後のチャンスに期待したいところです。
その後、ポルテのグッズとしてピンバッジが常時販売されるようになった。また、2012(平成24)年に「うみてらす14の日」が制定され、毎月14日の有料来場者にはシールやマウスパッドなど非売品のポルテグッズがプレゼントされる場合がある。
四日市港管理組合

TOPページへ